1年を4日増やしてゲームでダラつきたい

ゲーム脳の社畜が日々の生活を書いていくやつ

頑張らないを頑張る

違和感はずっとあった

某薬局へ勤め、6年の僕

薬剤師ではないけど、薬局スタッフとして30代の半分を仕事に捧げてきた

専門的な薬学知識がない僕だったが

薬剤師のサポート業務として日々、患者様のもとを訪れて、処方された薬を届ける

 

患者様のほとんどが介護を必要とするご老人ばかりだ

老人ホームへ届ける事も毎日のようにある

一般的な薬局のイメージからすると

少し特殊な気もする

 

今で言うとウーバーイーツの薬局版といったところか

ちょっとカジュアルな表現かもしれないけど、そんなイメージ

 

そんな仕事を続けて、6年

度重なる顧客の増加、薬剤の管理、それに付随する営業・事務業務

それに比例するように増える退職者

そして、日々増え続ける残業時間

時間に対して、増えない給料

 

40歳を目前にして、僕は焦っていた

 

このままここで仕事をしていいのか?

 

入社した日、これが最後の転職になるのだろうと

漠然に思っていた

 

ガテン系のような体力一辺倒でもなければ

コンサル、マネジメントなどバックオフィスとも違う

薬局の外でも中でも仕事はある

よく言えばバランスが良い

悪く言えば中途半端

それが僕の業務内容だった

 

調剤した薬を患者様や施設様へ日々届ける

『配達』

と言うのがその一つ

 

この配達というのがそこそこ体力を使うもので

軽自動車にコンテナをいくつも積み込み出発する

 

僕が務める薬局は、男女比が2:8と圧倒的に女性が多い

なので体力勝負の配達は必然的に僕たち男性が行うことが多い

 

朝出勤して、1日かけて各家庭・施設を回り

夕方に薬局帰ってくる

 

そして、帰ってきたら

スケジュールにのっとって、明日以降の配薬準備を含む内勤業務を行う

 

20、21時となり、ようやく帰路に着く

家に着く頃には22時近い

夕飯を摂ってシャワーを浴びていたら、23時近くなる

何をする事もなく床に就く

そして、起きたらその繰り返し

 

そんな感じ

それを6年

最近は、退勤時間がどんどん後ろ倒しになってくる

当番で休日も出勤する事もある

 

そんなこんなで待ちに待った給料日当日

ネットで給与明細を見て

ガッカリする

 

残業時間の割に今月も多くないな

でも貯金とかしないと・・・

 

本当はサブスクでゆっくり映画でも見たり

外食して、美味しいものを食べたいとも思う

 

でも、貯金に回すお金がなくなってしまう不安に駆られ

財布の紐がぎゅっと閉まる音がする

 

そのたびに思う

このままでいいのか?

 

給料は同年代の平均以下、中央値以下

残業でしか収入を増やす方法を僕は知らない

 

 

そんな時、体調不良で仕事を1週間ほど休むことがあった

医師によると

仕事のストレスや急な気候変化で体に異常をきたしたのでは?との事

 

正直、無理はしていたと自覚はある

本当は帰りたいくらい疲れているのに

今帰ると迷惑になる、と

変に気を使い

残業代のため、と割り切って仕事をしていた

 

そんな中で1週間休んで

みんなに迷惑かけるな

僕が早く仕事に戻らなきゃ

少しでもみんなの役に立ちたいな

そして、この先のことをぼんやり考え

仕事復帰した1日目

 

違和感を覚えた

 

1週間の間、業務は多少の遅れはあったものの

業務はいつも通り行われていた

 

当たり前の話だが

僕一人いないだけでストップするような仕事じゃない

当たり前だ、そうだったら会社として成り立たない

 

いつものように配達に出て

夕方は薬局内で業務する

夜遅くまで

目を、体を動かす

薬を取り扱っているため、繊細な作業

誤ってしまえば、最悪患者様の命に関わる

そんな神経を使う仕事を長時間運転後に立ち作業で遅くまで

 

それに給料は見合っているのか?

何度も自問自答しては答えが出ない

 

この年で再就職なんてできるのか?

薬剤師と違って、僕には世間で戦える資格もない

ただただ、誰にでもできる配達という仕事くらい

 

運送業にするか?

でも、今の力仕事にも限界を感じているのに

新たにできるのか?

 

辞めるべきか?

でもその先は?

貯金はそこそこあるから、多少は平気だが

したい事もないのに

そんな向こうみずで大丈夫か?

 

次から次へと雪崩のように降ってくる疑問

そんな違和感を最初に覚えたのは2年前

それからなあなあに過ごして6年の春

 

来年度から業務拡大に伴い残業も増えるだろう

本当に大丈夫か?

 

体から込み上げてくるのは答えではなく

苦悶の声と吐き気だけだった

最近夜になると続く胃液が上がってくるような感覚

前に勤めていたブラック企業で限界直後に襲われた症状

口の中に酸っぱい味がする

あぁまたか・・・と変に懐かしい気持ちになる

 

 

今まで勤めてきたブラック企業は数知れず

サビ残なんてしょっちゅうだったし、出ても薄給

それに比べれば、今の仕事は安月給だが残業代は出るし

有給もある程度もらえる(連休は取れないが)

このまま手放して、いいものだろうか?

 

 

でも、一つ思うことがあった

 

なら、あと1ヶ月だけ

1ヶ月だけ頑張ってみないか?

1ヶ月経ってどうしてもダメなら覚悟を決めて

辞めてしまおう

 

それまでにいい転職先を見つけられるかも知れない

1ヶ月分の有給を全部消費すればそれも可能かも知れない

 

逆に今の仕事でも大丈夫、と思えるかも知れない

 

転職先が見つからないままの退職かも知れない

でも、貯金もあるし

失業手当も利用すれば持ち堪えるのは容易だ

 

逃げると考えると

聞こえが悪いけど

病気で1週間休んで少し冷静にこの先を考えることができた

こうして文章に書くことによって

少しずつ整理する事もできてきた

 

俺がいなくても、負担は多少増えるだろうが

会社は存続していくだろう、当たり前だが

 

なら、とことんワガママに生きてもいいじゃないか

1年後、5年後 今の仕事を続けている自分が

 

あの時、辞めておけばよかった

と後悔するところはもう見たくない

1ヶ月だけ頑張ろう

その結果、仕事を辞めてもいいや

 

そう決意した深夜

明日からは新年度

新しい社員、新しい仕事が始まる

気づくと吐き気が何処か鳴りをひそめた

 

少しだけ、だが

頑張らないことを頑張ろうと決めた

そんな後ろ向きな再スタートの話でした